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『二流小説家』 デイヴィッド・ゴードン [読書・海外]

『このミステリーがすごい!』(宝島社)
『週刊文春ミステリーベスト10』(文藝春秋)
『ミステリが読みたい!』(早川書房)の海外部門ランキングで、
いずれも1位を受賞。ミステリーランキング初の三冠を達成。

「三冠」となればおもしろいにきまってる。
ハードルを上げて読みはじめましたが・・・
期待外れな感じ。
私のミステリーにたいする感度がいまいちなのか。
残念です。
では、「二流読み手」の感想を少々。

真犯人にたどり着くプロセスが弱いのでは…
暴走で決着というように感じる。
そこで終わらないサービス精神は好き。

主人公が書いた小説の抜粋が挟み込まれているが
必要あるのかな?ちょっとした口直しかもしれないけれど
流れをじゃまされるように感じてあまり楽しめなかった。
物語にリンクしているのかと思いきやそうでもないような。

ニューヨークの描写がよかった。
きれいな今のニューヨークだけではなく
登場人物たちが生まれ育った猥雑な雰囲気まで
目に浮かぶようです。


グロテスクな猟奇殺人の現場は私には刺激が強すぎて
夢見が悪い日が続いてぐったり…
(極私的感想・グロ耐性弱し)

「これまでのぼくはただの亡霊・ゴーストライターにすぎなかった。
偽りの名前、他人の名前や顔の陰に隠れてきた。」p12

「ぼくには、オタクや、世を拗ねた連中の気にいるような、
真に迫った通俗小説をひねりだすことができた。」p18

シリーズ物のミステリ、SF、ヴァンパイア小説の執筆など
20年ものあいだ、物書きの仕事で食ってきたハリー・ブロックに
「本物の作家」になるチャンスがめぐってきた。
かつてニューヨークを震撼させた連続殺人犯から
告白本を依頼する手紙が届いたのだ。
捕えられてから12年間ひとことの自供もせずに
無罪を訴えているダリアン・クレイ。
殺人犯は条件を出してきた。
ラブレターを送ってくる信者たちに会ってきて
自分とその女性を主人公にした小説を
指示した内容で書いてほしい。
ダリアン・クレイの妄想を形にして
ポルノ小説を一篇書けば、引き換えに
殺人犯の告白本の一章分のネタが手に入る。

「頭のいかれた信者どもに会いにいって
やつのためにポルノ短編集を書けってのか?」

一度は断念するつもりだったハリーだが、
結局のところ仕事にとりかかることになる。

過去のものであった殺人事件が
突然目の前に現れる場面はスリリングでした。
そこから物語は一気に動き始める。

ハリーの周りにいる女性たちが魅力的です。
ビジネス・パートナーである女子高生のクレア。
ストリッパーのダニエラ。
彼女たちとのやりとりは楽しかった。
弁護士助手のテレサ・トリオの愛読書は意外でした。

美しい女たちにも疑心暗鬼の目を向けざるを得なくなり
事態は混沌としてきます。

以下、未読の方はご注意を

*
*
*

今まで一切の自供をしてこなかったダリアンが
初めて語った生い立ちに引っ掛かりを感じて
ハリーはあの場所に立ち、その風景の写真を思い出し
真犯人を悟ったということになる。

「写真」だけでは弱くない?
結局のところ犯人の暴走で片がついたように感じる。

花屋での「アイリス」でハリーはひらめいたけれど
一読して何のことかわからなかった。
アイリスってどこにでてきたんだっけ。
里親の家の向かいに建てられたきれいな家の
花壇に咲き乱れていたアイリスのことだったのね。
最初の取り調べでダリアンの過去を洗ったはずなのに
ここは見落としたのかな…

女性たちと別れる結末がよかった。
クレアの手紙はせつないです。
「わたしが必要なふりをずっとしていてくれてありがとう。」
寮生活に嫌気がさしたら
「こっそり寮を抜け出すから、あなたのところに匿ってね。」
もう二度と会うことはないと思っていながら
こんなふうに書くやさしい女の子がいじらしいです。

サイコキラーの告白は…よく書けてるとは思うけど
ごめん、もうエゴの塊の異常者の独白は
過去のいろいろな本で読み飽きたよ…

二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

  • 作者: デイヴィッド・ゴードン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2011/03/10
  • メディア: 新書


次に読もうと思っているのは
『犯罪』フェルディナント・フォン・シーラッハ
おもしろいといいな。


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