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『〈完本〉初ものがたり』  宮部みゆき [読書]

勘違いをしていました。
ずっと「お初」という女性のものがたりだと思ってた。
「初もの」のことだったのですね。

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本所深川一帯をあずかる「回向院の旦那」
こと岡っ引きの茂七が、子分の糸吉や権三らと
難事件の数々に挑む。
夜っぴて屋台を開いている正体不明の稲荷寿司屋の親父、
霊力をもつという「拝み屋」の少年など、
一癖二癖ある脇役たちも縦横無尽に神出鬼没。
人情と季節感にあふれた時代ミステリー・ワールド

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九つの短編すべてに初ものがでてきます。
鰹、白魚、鮭、柿、桜……
どの料理もおいしそうです。
気軽に食べられる屋台で
これほど豊かな料理の数々がつくれるのですね。
私も食べにいきたい。

<完本>初ものがたり (PHP文芸文庫)

<完本>初ものがたり (PHP文芸文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2013/07/17
  • メディア: 文庫

イラストは「桜ほうさら」と同じ三木謙次さん。
あたたかみのある絵柄が大好きです。

拝み屋の「日道」こと十にもならない三好屋の長助を
三木さんの絵でみるとその幼さがよくわかり
ますます痛ましい気持ちになります。

拝み屋稼業ゆえに逆恨みで襲われて
瀕死の重傷を負った長助に
こんなことはもう止めたらどうだと茂七は言います。
「だけど、おいらを頼りに来る人たちを
がっかりさせられないよ」
いたいけな子ども長助ではなく日道としての言葉です。
しかし日道が高潔であっても取り巻きはそうではない。
衣装まで仕立てあげ商売のように子どもを利用する親に
茂七が嫌悪感を抱くのも当然です。

宮部さんは続編を書くつもりだそうです。
日道のその後が気になります。
そして謎めいた稲荷寿司屋の親父の正体も
明らかになるのでしょうか。

「太郎柿次郎柿」
水呑み百姓の跡取り息子である兄
追い出されるように江戸にでてきた弟

不作で食べるものにも困っている兄が
弟に金の無心をするために江戸に出てくる。
今では弟は豊かな江戸のお店者になりきっている。
兄が弟を殺してしまう引き金となったものは何か。
「桜ほうさら」でも触れていた江戸と地方の格差を
「干菓子」で見せつけられました。

この本のいくつかの話のなかでは、
立場の弱い者がむごい目にあわされ、
権力者は罪をとがめられることもない。
茂七が理不尽さを覆すことは難しくても
できるかぎり手を尽くし弱者に手を差し伸べる。
親分はとても魅力的です。

「稲荷寿司屋の親父の正体を明かさないまま、
著者の勝手な都合で途絶したきりの
この捕物帖シリーズですが、
今後は他のシリーズと合わせて、
多くの人物をにぎやかに往来させながら、
ゆっくり語り広げていきたいと思っております。」
           (あとがきより一部引用)

「他のシリーズと合わせて」

「ぼんくら」の井筒平四郎とか政五郎と
一緒に事件を解決する話を書いてくれるのかしら。

この本では茂七の手下は糸吉と権三
糸吉は二十歳(はたち)そこそこ
権三は四十六歳。酒問屋に三十年勤めあげ
番頭にまでなったが店を追われ、
「四十五という歳で茂七の下っ引きになって一年経つ」
茂七は権三よりひと回り年上で五十八歳。

政五郎が手下になるのはもう少し先なのかな。
「多くの人物をにぎやかに往来させた」物語
楽しみです。

* * *

TVで大川橋蔵の「銭形平次」を
小さいころから長年見続けていたから
岡っ引きの話にすんなり入り込めるのかな
などとふと思いました。

「ドラマ史上最長の全888回という金字塔を打ち立て、
ギネスブックで世界記録に認定されている」

・・・知らなかった。
確かにずいぶん長く放映してましたよね。

 


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