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『アイネクライネナハトムジーク』 伊坂幸太郎 [読書]

いいなあ、こういう話は大好き!
ダイナミックに物語が動くわけではないのにおもしろい。
伊坂幸太郎は本当にうまいです。

「僕の書く話にしては珍しく、泥棒や強盗、殺し屋や超能力、
恐ろしい犯人、特徴的な人物や奇妙な設定、
そういったものがほとんど出てこない本になりました。」
「ですから、普段の僕の本に抵抗がある人にも
楽しんでもらいやすくなったのではないか、
そうであってほしい、と期待しています。」
                    ・・・・・あとがきより引用

愛すべき唯我独尊、傍若無人なキャラは今回も出てきます。
こういう人物を中心にした会話は
必然的に突拍子もない方向にむかうわけで、とても愉快。
織田一真はユニークで憎めない。
でも、周りにいたらちょっと迷惑かもしれない。
迷惑そうな娘の美緒の物言いとか
父とのやりとりとか、何ともおかしいです。

「思いついたことを熟考することなく次々口にする性格」
板橋香澄も魅力的です。
『メイクアップ』
積年の恨みを晴らすべき!
とそそのかしているようでいながら、
復讐などできない同僚の彼女をみて、
穏やかな笑みを浮かべる。
香澄の旦那さんが登場してないけれど
どんな出会いがあったのか気になります。

かつてのいじめっ子の一勝一敗、プレゼンorエリートの彼氏、
どういう結末を伊坂氏は用意しているのかな?

窪田結衣の夫は、藤間の妻の話に唐突にでてくる
本社から出張できていた20代の会社員なのでしょうか。

この三篇が特にお気に入り。
「ライトヘビー」
「ルックスライク」
「メイクアップ」

「ナハトムジーク」
「怒りをぶつけて、真っ二つに折るんだよ」
織田の言葉が時空を超えて炸裂しました。
ラウンドボーイ、かっこよかったよ。

しばらく読書から離れていたので
久しぶりに読んだ本がこころときめく物語で
とても嬉しかったです。

line3-1.gif

以下、本文から大好きな部分を引用。

「この間ね」
子供を寝かしつけてた時にね、
何か、風の音が聞こえてきたんだよ。
うるさくはなくて、静かなんだけど、どこかから」

「でも後で考えたら、
あれってどっかで流れてた音楽なのかなあ、
って気づいたんだよね。
隣の部屋で、CDがかかってたとか」

「さっきの、出会いの話だけど、
結局、出会いってそういうものなのかなあ、
って今、思ったんだ」

「その時は何だか分からなくて、
ただの風かなあ、と思ってたんだけど、
後になって、分かるもの。
ああ、思えば、あれがそもそもの出会いだったんだなあ、って。
これが出会いだ、ってその瞬間に感じるんじゃなくて、
後でね、思い返して、分かるもの」

「小さく聞こえてくる、夜の音楽みたいに?」

「そうそう」

line3-1.gif

そのときは分からなくても、あとから何だかわかる、
サプライズに満ちたすてきな物語です。

アイネクライネナハトムジーク

アイネクライネナハトムジーク



タグ:伊坂幸太郎
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コメント 2

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藍色

いろいろな世代間の中でハッとさせられるような心に残る言葉が
いくつも出てきてよかったです。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
by 藍色 (2016-09-23 12:27) 

miyuco

トラックバックありがとうございます。
by miyuco (2016-11-18 20:04) 

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