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『海街diary5 群青』 吉田秋生 [コミック]

発売を楽しみにしている大好きな『海街diary
今回もああなんてうまいんだろうと思いながら
じっくりと噛みしめながら読ませていただきました。

「彼岸会の客」
すずの叔母(母の妹)が訪ねてくる。
祖母が残したすず名義のお金を直接渡したいという用件。
亡き母から聞いているのは
「むこうの家とは縁がないから」という言葉のみ。
初めて会う母の身内。

すずの母の葬儀にも顔を出さなかった人たち。
それなのに、いきなり連絡してきてお金の話なんて
いろいろと考えてしまうわけで。
すずが傷つけられるのではないかと
心配する姉たちは臨戦態勢をととのえる。

最初にちゃんとあいさつだけして
いやだったらあとはボーッとしてていいから。
ややこしいことは大人にまかせておけばいーの。

「あたし ボーッとしてていいんだ」

ボーッとしてていいんだというすずのセリフに
グッときてしまった。
守ってくれる人が誰もいないなかで
父の闘病をたったひとりで引き受けていたすずは
子どもでいることを許されなかった。
まだ中学生なのに。
今はもう「大人」にまかせていいんだと
すずは、あたらめて心が軽くなったのではないでしょうか。

前作『海街diary 帰れないふたり』 
すずは「山猫亭」の看板メニューを通して
父と母が過ごした鎌倉での生活を感じとる。
「しらすトースト」「ジンジャーミルクティ」

「父が棄て 母が父を奪った 幸田家の三姉妹
恨まれて当然のはずだった」

しかし姉たちはいっしょに暮さないかと言ってくれた。
もう過ぎたことだからと思ってくれている。
すずもそれはわかっている。

「それでも
父と母の記憶を口に出すのはうしろめたかった」
「とくに母の思い出は
どうしても話すことができなかった」

母の妹が語る生前の母の様子。
一人の女性としてどんなふうに生きたのか、
すずがそれを知ることができて本当によかった。

「すずという宝物を授かったから
私はもう何もいらない」

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タグ:吉田秋生

萩尾望都先生、紫綬褒章を受賞  [コミック]

萩尾先生、おめでとうございます!

「好きなものを描けて幸せ」=漫画家の萩尾望都さん-紫綬褒章
今日の少女漫画の礎を築いた一人、
現役漫画家として走り続ける萩尾望都さん(62)は
「内定の連絡を受けた時は本当にびっくり」と話す。
3月に亡くなった父には四十九日の仏前で報告した。
20代でヒット作「ポーの一族」などファンタジーやSF漫画を描く。
両親は反対していたが、「私が絶対譲らないので諦めました」。
転機は30代。読者と年齢が開き、仕事に難しさも。
大人向けの漫画誌ができて
「幸運にも好きなものを描き続けられた」と振り返る。
(時事ドットコム 2012/04/28-06:59)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201204/2012042800069

『従来の少女漫画の枠を超えた作品を次々と発表し、
演劇や映画の世界にも影響を与えた』

過去にマンガ家では赤塚不二夫、西岸良平、ちばてつや、
松本零士、水木しげる、長谷川町子らが受章してきたが、
少女マンガ家で紫綬褒章を受章するのは萩尾が初。
コミックナタリー
http://natalie.mu/comic/news/68621

line3-3.gif

「今、振り返ってみて感じます。
女性による女性のための漫画は、
私たちから始まったのか、と」

  (朝日新聞インタビューより抜粋)

「アニメやマンガは日本の誇るべき文化」
などと言われるようになるとは
私が萩尾作品を読んでいた1970年代には
考えられないことでした。
そんな時代に道を切り拓いてきた萩尾さんをはじめ
クオリティの高いマンガを描いてきた作家さんたち
編集者の方々が評価されたのだと思います。

そして昭和ひとけた生まれの親や大人たちの
冷たい視線を浴びながらも
少女マンガを心から愛し、読み続けた私たちも
いまの文化の礎になっているのだと
誇らしい気持ちになることを
許していただきたいと思います。

[萩尾望都さん・紫綬褒章インタビュー全文掲載]
NHKかぶんブログ
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/800/119069.html

お母さまとの確執はやわらいだのですね。
よかったです。

樹村みのりさんの名前が出てちょっと驚きました。
「40-0(フォーティ・ラブ)」を萩尾さんが絶賛していたことは
記憶にありましたけれど。

カット割りが絶妙だとものすごく深いところまで
突き刺さっていくような揺さぶり方をすることができると
おっしゃっています。
萩尾さんにはもちろん揺さぶられましたが
大島弓子さんのコマ割りもすごかった。
感情をつかみとられるようでした。

「マンガのあなた SFのわたし」
萩尾望都 対談集 1970年代編

この本の羽海野チカさんとの対談を
パラパラと本屋で読んだのですが
コマ割りなどの技術的なことをお二人が話していて
とてもおもしろかった。
今度、きちんと読んでみたいなと思いました。

でも、まずは「なのはな」を読まなくては。

マンガのあなた SFのわたし 萩尾望都・対談集 1970年代編

マンガのあなた SFのわたし 萩尾望都・対談集 1970年代編

  • 作者: 萩尾 望都
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2012/02/21
  • メディア: 単行本


<以下、インタビューから抜粋>



 

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タグ:萩尾望都

『きのう何食べた?』(5) よしながふみ [コミック]

おもしろかった

ヒゲのジルベール!
笑いました。笑いこけました!

ビジュアルはジルベールみたいな
美少年をイメージしてください」

小日向さんは恋人のワタルくんの話をするときに
こう説明した。
しかし筧史朗はジルベールを知らないのであった。
筧がイメージしたであろう姿を
作者がかいた「ジルベール」を見ただけで
原作を知っている私はもう笑ってしまう。

このビジュアルイメージで話をきいていたのに実物は
「ヒゲで寝グセのついたジルベール」
こんな面白い話だったら誰かに話さずにはいられない。
話す相手がいるって幸せなことです。

主婦仲間(?)の富永さんの旦那さんが
テニスクラブの小日向さんを筧に引き合わせたわけだけど
「ゲイ同士仲良く友達になれるかなって思って!」
という無邪気で善意にあふれた言葉がすごい。
筧がボーゼンとなるのもよくわかりますわ。

シロさんとケンジのふたりと同じくらい
「ジルベール」ことワタルくんと大ちゃんのコンビもおもしろい。
「けっこう食えない奴」と筧に評価されるほどだから
ワタルの発言は核心を突いています。
「オネエは入ってないがオバチャンが入ってるんだよあの人は」
という小日向さんの見解にも読者は深くうなずいたはず^^

「・・・どうせ俺はゲイのどまん中にはなれないですよ」
マイノリティの中のさらにマイナーな立場の筧だけれど
ゲイらしくないからこそ一般女子にとっては
魅力的な条件を備えた男性にみえるわけで
熱い視線を浴びるのも当然です。
筧にはうっとうしいだけでしょうけれど。

指輪を喜ぶケンジがかわいいです。

無愛想だけど手早いレジ係りの人の話も好きです。
ああいう人、います。
あまりに手際がよくて見とれる時があります。
毎日のように顔をあわせていると
意図せずともなんらかの関係性が発生するわけで
それをさりげなくレジの女性が表現して
さりげなく筧が受け取るところがいいですね。

今回の料理で参考になったのは
豚汁にめんつゆをいれるとコクが出るということ。
先日実践してみたところ
確かにコクがでておいしくなりました!

検察が裁判員裁判に備えて
顔のいいコばっかりのビューティー軍団つくってる
っていうウワサ話、ありっちゃあありかもね
と思ってしまった。

きのう何食べた?(5) (モーニングKC)

きのう何食べた?(5) (モーニングKC)

  • 作者: よしなが ふみ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/09/23
  • メディア: コミック

←トイレットペーパーを持っているという
この生活感がなんともほほえましくて好きです。

 


『ベル デアボリカ』 坂田靖子 [コミック]

bel diabolica
美しき魔物

「魔法使い」は確かに存在していた
深い谷の奥や暗い森
人の気配の届かない場所に
住み処を構え
不用意に近付く者には
「死」が待っていた
彼らは自分以外の誰ともまじわる事なく
孤独を好み 誰にも姿を見せなかった
禁忌の存在であるかれらは 
「魔物」と呼ばれていた
     (『ベル デアボリカ』プロローグ)

坂田靖子さんの剣と魔法の世界
楽しませていただきました!

自由で気ままでわがままな魔法使い・ヴァルカナル
堅物で一本気な若き王・ツヴァス
二人が出会ったことから物語は始まる。


守りの要所である東の国境の谷に物見を立てなければ
攻め込まれれてしまう。
しかしそこには300年も前から魔法使いが棲んでいた。
ツヴァスは意を決して魔法使いを捕え
魔力を打ち消す監獄塔に閉じ込めることに成功する。
捕えてみれば“魔物”は若くかよわい風情の男であり
塔のなかで日に日に弱っていく。
ツヴァスは相手が魔物であっても見殺しにはできない。
危険だとわかっていても救いの手を差し出さずにはいられない。

資源を持たない貧しい国は苦境に陥っていく。
「私を利用しなさい」と魔法使いは言う。

「さあ、あなたは私の気まぐれを利用なさい。
それが魔法使いを手に入れたあなたのなすべき事です」

陰謀、駆け引き、ご機嫌取りなどが苦手で
理にかなわないことを厭うツヴァスを
ヴァルナカルは気に入っている。
しかしツヴァスはどうしてなのかさっぱりわからない。

“ボクが認めたキミだからキミは自信を持っていいんだよ”
という少女漫画の王道とこんなところで出会えるとは。
(ちょっと違うかな?)

「私がここにいるのは
私を留めておけない事を
あなたが知っているからです。」

尊敬に値する相手としてツヴァスを選び
同盟を求める一族があらわれる。
信義を重んじる一族にとってツヴァスは
信頼できる相手なのだ。
魔法使いの言っていたツヴァスの武器がなにか
やっと理解できたわけです。

「誠実」から一番遠いところで暮らしていたから
ヴァルカナルにはツヴァスの“武器”が
よくわかったのかもしれない。

美しき魔物・ヴァルナカル
竜を呼ぶ力を持つ大魔法使いだけど
ちょくちょくかわいいのであった^^
ツヴァスの執務室の床で無防備に寝込んでしまったり
子どもたちにつきまとわれてる姿は絶品でした。

これから物語の行方はどうなるのか
続きが楽しみです。

ベル デアボリカ 1 (ASAHIコミックス) (あさひコミックス)

ベル デアボリカ 1 (ASAHIコミックス) (あさひコミックス)

  • 作者: 坂田 靖子
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2010/06/04
  • メディア: コミック

ベル デアボリカ2 (あさひコミックス)

ベル デアボリカ2 (あさひコミックス)

  • 作者: 坂田靖子
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2011/03/04
  • メディア: コミック






 


『スピカ ~羽海野チカ初期短編集~』 [コミック]

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センスがよくてかわいい表紙ですね。

収録されている作品は、ハチクロの連載が始まったのと
同じ頃(2000~2004)に描かれたものだそうです。

ハチクロ10巻に掲載された「星のオペラ」を読み
短編のあまりの巧さに感動しました。
ほかの短編も読むことができて嬉しいです。


「拙いですがあの頃の私の精一杯がつまってます。」
                         

好きな人の名を口にすると
甘い気がするのは
なんでなんだろう

「夕陽キャンディー」
まあなんて艶っぽいのでしょう。
たった6ページ
けれども、読み手の想像力(妄想)が刺激され
とても6ページだとは思えない読後感。

「スピカ」

泣いてもやめられないほど
好きなものがあるってのはさ
きっと すごいことなんだぜ

がんばる女の子がかわいい。

赤点だとレギュラーはずされるから
みんなで集まって勉強
というのはスラムダンクにもありましたね。
あのエピソード大好きでした。

「はなのゆりかご」
なんてすてきなハッピーエンド
幸福な気持ちになる物語です。

日々を共に過ごす時間の積み重ねが
ねじれた感情をそっと解きほぐす。
チャーミングな表情を描く技量がなければ
この話は成立しないはず。
羽海野さんの絵はとてもあたたかい。

オールカラーの「冬のキリン」は完成度が高いし
「ミドリの仔犬」のキオもかわいい。

とても楽しませていただきました!

この本の印税は全て
義援金として寄付されるということです。


タグ:羽海野チカ

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