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読書感想 [読書]

昨日がなければ明日もない

昨日がなければ明日もない

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/11/30
  • メディア: 単行本
昨日がなければ明日もない 宮部みゆき
大家さんの竹中夫人がいい味だしてます。
短編3作とも、物語が終わった後の先行きを想像すると
暗澹たる気持ちになります。
生涯復讐の手を止めることはないでしょう。
周りを巻き込んで目的を果たしても
何らかのしっぺ返しはあると思う。
そして表題作のかわいそうな女性はきっと逃れられない。
宮部さんは被害者面する人を描くのがうまいですね。


きのう何食べた?(15) (モーニング KC)

きのう何食べた?(15) (モーニング KC)

  • 作者: よしなが ふみ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/03/22
  • メディア: コミック
きのう何食べた?(15) よしながふみ
フツーのおかずを淡白なコメントを言いながらも
ぱくぱく食べちゃうジルベールが相変わらずかわいい。
シロさんのご両親とのエピソードはリアルですね。
親のプライドとか思考とかが
ちょっとめんどくさい所などよくわかります。


沈黙のパレード

沈黙のパレード

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/10/11
  • メディア: 単行本
沈黙のパレード 東野圭吾
おもしろかった!
湯川先生の洞察力が「献身」に違う結末をもたらしました。
先生が友人のために人の中に入っていくなんて、
丸くなりましたね。

愛なき世界 (単行本)

愛なき世界 (単行本)

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2018/09/07
  • メディア: 単行本
愛なき世界  三浦しをん
専門的な部分を読むのに難儀しました。
植物みたいに、脳も愛もない生き物になれれば、
一番面倒がなくて気楽なんだけど、と考える本村さん。
おおらかで優しい藤丸くん。
ふたりともまっすぐでとてもかわいいです。

下町ロケット ヤタガラス

下町ロケット ヤタガラス

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2018/09/28
  • メディア: 単行本
下町ロケット ヤタガラス 池井戸潤
島津の能力を認めなかった奥沢への
痛烈なしっぺ返しが心地よいです。
誠実に戦う者を公平な目で評価する人は必ずいるのですね。

さよならの手口 (文春文庫)

さよならの手口 (文春文庫)

  • 作者: 若竹 七海
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/11/07
  • メディア: 文庫
さよならの手口  若竹七海
不運な探偵はまたも満身創痍。
今回も胸くそ悪いです。
クールに対処できずに失態をしでかすが
それもまた葉村晶らしい振る舞いです。
長谷川探偵調査所が閉鎖されて残念。
でも白熊に期待。
うさぎの常夜灯まだ使ってるのね


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11月の読書 [読書メーター]

11月は少し読書の気分が戻ってきた感じ。

「屍人荘の殺人」前評判通りのおもしろさでした。


11月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:1048


悪いうさぎ悪いうさぎ感想
相変わらずいろいろと巻き込まれる葉村晶。三方向から狙われて足の傷はなかなか治らない。いい年したおっさんたちがいつまでもつるんでるとロクなことにならないわね。本筋以外のトラブルがメインを解りづらくするためのノイズのように感じた。もっと縒りあわさる展開なら印象は違ったと思う。
読了日:11月27日 著者:若竹 七海



屍人荘の殺人屍人荘の殺人感想
見取り図があるとワクワクします。おもしろかった!アレのなんという恐ろしさ。怖くて夜読むのを断念しました。次に殺されると予想された人物がきっちり殺害されるのがとてもよかった。アクロイド的なヤツかなと思わせるようなミスリード。ロジカルな謎解き。正統派のミステリー、楽しませていただきました。
読了日:11月23日 著者:今村 昌弘



下町ロケット ゴースト下町ロケット ゴースト感想
再度裏切られる技術者が不憫です。どうか報われますように。殿村の父が先祖代々守り続けた田んぼに頭を下げる場面。ドラマになるとあれほど神々しい映像になるんですね。山本學さんが素晴らしかった。
読了日:11月07日 著者:池井戸 潤

読書メーター


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『かがみの孤城』 辻村深月 [読書]

2018年本屋大賞受賞作。
傑作との誉れ高い作品ですが
わたしは少し疑っていた。
「大人向け」にシフトチェンジして直木賞を獲った作家さんが
もう一度10代を描けるのか。

読み終えて杞憂だとわかりました。
パワーはそのままに
より優しくなって戻ってきたように感じます。
傑作です。

初期の頃の作品が大好きでした。
心揺れる10代の「少し不思議な物語」を
もう辻村さんは書いてくれないだろうと思っていた。
読むことはできないと思っていました。
再会できてほんとうに嬉しいです。



「何人もの読者の方に、この本は
『冷たい校舎の時は止まる』のアンサーだと思いました
と言われました」
・・・著者インタビューより

「大人の描き方が変わった」
「大人と子ども、両方に対してフェアであろうと思いました」


作者の誠実さは物語からきちんと伝わってきました。


lbl レンガ.gif


どこにも行けず部屋に閉じこもっていた“こころ”の目の前で、
ある日突然、鏡が光り始めた。
輝く鏡をくぐり抜けた先の世界には、
似た境遇の7人が集められていた。
9時から17時まで。
時間厳守のその城で、胸に秘めた願いを叶えるため、
7人は隠された鍵を探す―


lbl レンガ.gif


たとえば、夢見る時がある。
転入生がやってくる。
その子はなんでもできる、素敵な子。
クラスで一番、明るくて、優しくて、運動神経がよくて、
しかも、頭もよくて、みんなその子と友達になりたがる。

だけどその子は、たくさんいるクラスメートの中に
私がいることに気づいて、その顔にお日様みたいな眩しく、
優しい微笑みをふわーっと浮かべる。
私に近づき、「こころちゃん、ひさしぶり!」と挨拶をする。
周りの子がみんな息を呑む中、
「前から知ってるの。ね?」と私に目配せをする。
みんなの知らないところで、私たちは、もう、友達。
ーーー 中略 ---
だからもう、私は一人じゃない。

そんな奇跡が起きたらいいと、ずっと、願っている。

そんな奇跡が起きないことは、知っている。


冒頭の文章。
ここを読んだだけで胸がチクッとなる。
はるか昔10代だった頃の教室を思い出してしまう。
当時の私も願っていた。
そして奇跡が起きないこともこころと同じように知っていた。


しかし作者は奇跡を起こしてくれました。


rain-101 はっぱ.gif


中学一年生の“安西こころ”は
4月だけしか学校に行っていない。

「教室で流れている時間から、こころは振り落とされたのだ。」

たちすくみ身動き取れないこころの前に
不思議な城とそこに集められた中学生たちが現れる。


中学生になったばかりのこころはまだ狭い世界にいる。
新しい出会いがあるはずだった学校という場所から
いきなり暴力的に遮断されてしまった。
作者はこころに鏡を通り抜けた先にある
城という場所を用意する。
城でのやりとりは現実世界のこころを後押しします。

終盤の怒涛の展開から
奇跡が起こるラストまで読む手が止まらなかった。


おだやかなエピローグ。
心のどこかに痕跡はかならず残っているはず。


誠実に寄り添ってくれる大人
同い年なのに別の視点を持っているクラスメイト
こころは出会えて幸運です。


どうか立ちすくんでいる子どもたちが
何らかの出会いで救われますようにと
祈らずにはいられません。


* * *


すべてが終わった後の思いがけない彼の言葉。
最後に救われたのはあの女の子だったのでしょう。

「善処する」



以下、つらつらと自分語りのようなことを

あの頃の私が感じていたことを
こんなに的確な言葉で、
何十年もたってから受け取ることができるなんて・・・




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タグ:辻村深月

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