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『満願』 米澤穂信 [読書]

山本周五郎賞受賞作品。
おもしろかった。

無駄のない描写が心地いいです。
六篇からなる短編集。
精緻に織り上げられた物語。
始まりから数ページで作品の持つ空気が伝わってくる。
運ばれていく先は不穏な場所だとわかっているけれど
そこにはどんな光景が待っているのか想像つかない。
緊張感が漂う物語、堪能させていただきました。

「夜警」
葬儀の写真「本音を言えば見たくもない。」
「気が合わない男だったが」
「そんなに立派な警官だったらあんな死に方はしなかった」

これだけでこの話がどこに向かうのかわかる。
最初の一ページだけで。
うまいです。

「万灯」
「私は裁かれている。」
「露見しないはずだった。」
「だがいま、私は裁かれつつある。
思いも寄らなかった存在によって。」

それが何だったのか知りたくてページをめくる。

「夜警」と「満願」が好みです。
「柘榴」は桜庭一樹テイストのような気がする。

以下、未読の方はご注意を。
覚え書きですが、
これから読む人の楽しみを奪ってしまうかも。




 

*

*

*

「夜警」
五発目の銃弾。
初めての捕り物で口走った言葉。
愚かな策は身を滅ぼしました。

「死人宿」
桜模様の白い浴衣。
佐和子がその意味に気づかなかったはずがない。
最後のセリフが恐ろしいです。

「柘榴」
耳に心地よい声の響きや気を逸らさぬ話しぶりが
妙に異性を魅了する。
佐原成海の魅力は色あせなかったわけですね。

「万灯」
「だがいま、私は裁かれつつある。
思いも寄らなかった存在によって。」
まるで周到に用意された因果応報のようでした。

 「関守」
おばあちゃん、怖すぎですわ。
生きてはいない人なのかと思った。
・・・もしかすると生きてはいないのかな・・・
・・・そんな描写はなかったから考えすぎかな

「満願」
守りたかったのはそれだったのね。
彼女の唯一のよりどころ。
なんて考え抜かれた方法なんだろう。
昭和の時代の色合いが濃厚で印象的です。
ちょっと北村薫の風味を感じます。

満願

満願

  • 作者: 米澤 穂信
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/03/20
  • メディア: 単行本



タグ:米澤穂信
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